JAN/FEB '04
 前号の総括というわけで(?)、メインの特集はWCチャンプのレニーと、世界選手権のジュニアチャンプであるサム・ヒルとなってます。97〜99年にかけてジュニアカテゴリーで活躍していた選手の多くが現在のレースを引っ張っているのはご存じの通り、その後、僅か数年でレニーはチャンプにまで上り詰めてしまったのかと驚きますが、現時点でもの凄いマシンコントロールを見せているサム・ヒルも同じような道を辿るのかもしれないです。余談ながら、この号にはレニーが使用したIron Horse(後輪のフルボトムした跡が!)、ACショソンが04シーズンに使用するDHバイク、フィオン・グリフィスが使用していたFoesが掲載してあり、最近の自転車は、どれもシンプルな構造にまとめられている模様。一方、UK内ではフォークやショックのチューニングを行うショップもあるそうで、中の具(ピストン)まで変更するらしく、本格的なってきたじゃないですか。

 レースのレポートではユタ州で行われたRed Bullの模様と、ウッドワードのSuper X DHの模様が掲載です。最近は、ただ落ちるだけでは飽き足らない人が多いのか、グラシアやコーワン(KONA)のように一捻り入れる人もいるらしい。もうグラシアの写真なんかフリー・フォールと何処が違うのかと突っ込みたいです…。その他、90年代半のレースを振り返る「回想録」なんかも懐かしい。ニコがMag21でDHしている!と思えば、スティーブ・ピートの新人時代(チームはKONAだったりする)、とどめはマイキーがマンモスを走っている連続写真とか、たかだか10年くらい前なのに隔世の感があります。

MAR/APR '04
 オフシーズンと言うこともあって、トップレーサーの特集や新製品紹介が多いです。特にピート特集は、2004シーズンにかける意気込みが語られていて読み応えがあります。一昨年にWC総合優勝を勝ち取り、このまま彼の時代が来るのかと思いきや、昨年の初戦で怪我をしてしまいDHで満足な走りができなかったのがケチの憑き初め、順調にポイントを稼ぐライバルを意識すればするほど自分の走りができず、不本意なシーズンを送ってしまったようです。昨年は4Xの怪我が悪影響を及ぼしただけに今シーズンは自重するのかと思ってしまいますが、これまでと同じようなレーシングスタイルを貫くそうです。また、グレッグ・ミナー特集では、今シーズンからHondaへ移籍することもあり、彼のパフォーマンスと併せて今期の活躍が予測されています。手回しが良いことに、今号には某ライターによるHondaのインプレッションが投稿されており、読者の想像力をかき立てる仕組みに!

 レースとは直接関係ないものの、国内に点在するダートジャンプ風景をレポートした投稿や、近年、新しい競技の形として定着してきた4Xのパネルディスカッション(?)なんかも、読み物としては面白いかもしれません。前者で注目したいのは、掲載されているジャンプを見れば普通の感覚ならBMXで飛びそうなのに、全員が普通に26インチ&サスフォークでやっていることでしょうか。後者のディスカッションでは競技に関わる要素(コース、主催形式、ライダー、将来の展望など)について、有名どころのライダーがコメントを寄せています。全般に漂っているのは、某世界団体の過干渉は"f-k"! か…

MAY/JUN '04
 例によってdirtらしい表紙です。とあるDHライダーが路面に対して渋い角度で飛び出していますけど、これが12才のお子ちゃまだから驚きです。彼については、雑誌の後ろの方に簡単なインタビューが掲載されていまして、日本と比較すると小学生の趣味かよ!と思います。まあ、このくらい早熟じゃないとRoyal Familyの一員にはなれないのかもしれません。

 前号に引き続き商品紹介のページが多く、しかも、ご当地ならではの趣味に特化した商品ばかり紹介されていますので、趣味が被っている人には参考になる部分もあると思います。余談ですが、最近ではこの手の一部商品が、日本に窓口になる問屋が出来たために入手可能のようです。ちょっと前だとノースショアとか言って、その手の部品(とパーツチョイス)が日本にも紹介されてきましたが、どちらも最初は場所を選ばないで楽しめる反面、乗り手のスキルが上がってくると日本にはその受け皿が足りないんですよね。UKだと、dirtの126pにあるBMX Trackの案内をみても40カ所くらいあるわけで、その差は歴然としています。

 ライダー特集に目を向けると、フレンチマンの「大物」が初登場。これまでdirtにはニコ、グラシアやアンカロはたびたび登場してきました、しかし、その三者があまりにも眩しすぎたためMickael Pascalは等閑にされてきたように思います。デビュー当初からフラットペダルを愛用し、きれいな放物線を描くエアと、吸い付くようなコーナリングを高度に両立させているライディングは彼独特のものでしょう。特集にもありますが、いかなる状態のレースでも上位に絡んでくる安定度は抜群ですが、どうしてもあと数秒の差が・・。

JUL/AUG '04
 掲載内容に若干のタイムラグはありますけど、レースが本格的に始まってきたこともあり内容盛りだくさんです。お馴染みのシーオッター、スコットランドの前哨戦となったNPSの第2戦、そして定番となったバーミンガムのBSX2004などが掲載され、メインはMinnaarとHondaの組み合わせがデビューウィンを飾ったスコットランドとなっています。

 WCの前週に行われたNPSでは、UK国内選手はもちろんMinnaarも参加していまして、この時のリザルトはPeatに続き2位。雑誌を見る限りNPSとWCスコットランドではコースがだいぶ異なりますが、やっぱり先に現地へ着て調整のためにレース参加している人は結果を出しているようです。話は変わりますがPeatや、一部のRSサポートライダーにはRockShoxの特別版Boxxerが投入されたらしく、これがなんと金属スプリングなしのエアモデルらしい。RSといえば初期のBlack Boxでも同様のアイディアが投入されていましたけど、今度は本気なんでしょうか。また、ユーロでもHondaは注目の的らしく、F1テクノロジーという風に別ページで特集が組まれています。

 今号はシーオッターの取材がてらUSAレポートも多いです。今年は「ある意味」反逆的な出で立ちでパーマーが参戦したこともあり、彼の大きな写真が掲載されています。気まぐれのように出場してくれるのはいいけれど、なんかもう完全なヒールに成り下がってしまい、現役の頃にNORBAで見せてくれた走りの輝きが失せてしまったのは残念です。話を元に戻してシーオッターといえば、ここ数年Mick Hannahが強いですね。体格的にはそれほど大柄な選手ではありませんが、弾丸のような瞬発力は日本人には出来ないものだと思います。その他、USAで始まったDH ManiaやDH BMXの模様など。

SEPT/OCT '04


NOV/DEC '04